暗闇へ続く道 [Japanese life]
先週末、伊豆は修善寺までテニス合宿に行った。
宿泊はラフォーレ修善寺。夕食は車で20分程度のうなぎ屋にした。
事件はその帰りに起こった。車2台のうち1台が先に行ってしまい、
自分の車が後発でナビの指示するまま走っていたのだが、どうも変な道を案内している。
まずナビが示したのは温泉宿が集まる狭い道を突っ切るおかしなルートだった。
そしてそこを抜けた我々は一瞬ナビ画面を疑った。
目的地はちゃんとラフォーレになっているのだが、
行きの道とは異なるどう考えても裏道のような山道を示しているのだ。
しかしいま来た道を引き返すのもなんなので、ナビを信じてそれに従った。
街灯もなく曲がりくねった真っ暗な山道をひたすら上る。
舗装されているのがまだ救いだが折からの強風による落ち葉や倒木が、
そこが山道であることを思い起こさせる。
当然歩いている人もなく、対向車が来たら面倒な道幅だったが、来る気配すらなかった。
本当にこれはホテルへたどりつく道なのだろうか。
車内の3人の頭の中はその大いなる疑問でいっぱいだった。
どうしよう、もし登りきったところにでーんと閉じた門が立ちふさがっていて、
この忌まわしい道を再び下る羽目になったら。
気が遠くなりそうだが、今は進むしかない。
そんなブルーな気持ちの中、
もしこんなシチュエーションが好きな女の子との最初のデートだったら最悪だよね
という話になった。
そりゃあ初デートで、突然人気のない真っ暗な山中へ車が向かっていったら、
女の子は当然えっと思うだろう。
少なからず不審に思うし、自己防衛機能が働くはず。
万が一の時の為に武器になりそうなものを探すだろうし、
隙をみて逃げるタイミングを待って、ドアに手をかけ続けるかもしれない。
一方男のほうは男のほうで、これはなかなかに焦る場面だ。
「あっ、なんか誤解されているかも」と気付きつつも、
なんとか自分が正しい道を走っていることを確認して安心したいという思いで
いっぱいいっぱいになる。
いつしか女の子は無言となり助手席からちらちらと疑惑の目を向けるようになり、
それがさらに男にプレッシャーとなって襲いかかる。
そしてあまりに運転に意識がいってしまい、女の子が勇気を振り絞って小声で尋ねる
「ね、ねえ?」
という問いかけさえも耳に入らず、それが加速度的に女の子の不安を煽っていく。
そして・・・
そして、女の子の中の疑心暗鬼が臨界点を突破した時、
ついに・・・
グサッ
もっていたボールペンを男の左手に振り下ろす。悲鳴を上げる男。
制御不能となり、路側帯に突っ込む車。
女の子はシートベルトをはずして逃げようとするがあわててはずせない。
男はわけがわからないままとりあえず女の子を落ち着かせようとするが、
そのうちもがく女の子の首にシートベルトがからまって・・・事態は最悪の結末を迎える。
な~んて
カーナビが選択した結果が、こんな誰も望んでいない不幸を巻き起こして事件に発展することも案外あるのかもしれない。
そんなことを3人で妄想してしまった。
結局無事にホテルにはたどりついたのだが、実はホテルのHPにはちゃんとこう書かれていたのだ。
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カーナビゲーションをご利用になる際のご注意
国道136号線から外れ、修善寺温泉場を経由して細い林道を通る経路が表示される場合がございますが、その経路ではホテルまでお越しいただけませんのでご注意ください。
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なんてことだ。あぶねー。
宿泊はラフォーレ修善寺。夕食は車で20分程度のうなぎ屋にした。
事件はその帰りに起こった。車2台のうち1台が先に行ってしまい、
自分の車が後発でナビの指示するまま走っていたのだが、どうも変な道を案内している。
まずナビが示したのは温泉宿が集まる狭い道を突っ切るおかしなルートだった。
そしてそこを抜けた我々は一瞬ナビ画面を疑った。
目的地はちゃんとラフォーレになっているのだが、
行きの道とは異なるどう考えても裏道のような山道を示しているのだ。
しかしいま来た道を引き返すのもなんなので、ナビを信じてそれに従った。
街灯もなく曲がりくねった真っ暗な山道をひたすら上る。
舗装されているのがまだ救いだが折からの強風による落ち葉や倒木が、
そこが山道であることを思い起こさせる。
当然歩いている人もなく、対向車が来たら面倒な道幅だったが、来る気配すらなかった。
本当にこれはホテルへたどりつく道なのだろうか。
車内の3人の頭の中はその大いなる疑問でいっぱいだった。
どうしよう、もし登りきったところにでーんと閉じた門が立ちふさがっていて、
この忌まわしい道を再び下る羽目になったら。
気が遠くなりそうだが、今は進むしかない。
そんなブルーな気持ちの中、
もしこんなシチュエーションが好きな女の子との最初のデートだったら最悪だよね
という話になった。
そりゃあ初デートで、突然人気のない真っ暗な山中へ車が向かっていったら、
女の子は当然えっと思うだろう。
少なからず不審に思うし、自己防衛機能が働くはず。
万が一の時の為に武器になりそうなものを探すだろうし、
隙をみて逃げるタイミングを待って、ドアに手をかけ続けるかもしれない。
一方男のほうは男のほうで、これはなかなかに焦る場面だ。
「あっ、なんか誤解されているかも」と気付きつつも、
なんとか自分が正しい道を走っていることを確認して安心したいという思いで
いっぱいいっぱいになる。
いつしか女の子は無言となり助手席からちらちらと疑惑の目を向けるようになり、
それがさらに男にプレッシャーとなって襲いかかる。
そしてあまりに運転に意識がいってしまい、女の子が勇気を振り絞って小声で尋ねる
「ね、ねえ?」
という問いかけさえも耳に入らず、それが加速度的に女の子の不安を煽っていく。
そして・・・
そして、女の子の中の疑心暗鬼が臨界点を突破した時、
ついに・・・
グサッ
もっていたボールペンを男の左手に振り下ろす。悲鳴を上げる男。
制御不能となり、路側帯に突っ込む車。
女の子はシートベルトをはずして逃げようとするがあわててはずせない。
男はわけがわからないままとりあえず女の子を落ち着かせようとするが、
そのうちもがく女の子の首にシートベルトがからまって・・・事態は最悪の結末を迎える。
な~んて
カーナビが選択した結果が、こんな誰も望んでいない不幸を巻き起こして事件に発展することも案外あるのかもしれない。
そんなことを3人で妄想してしまった。
結局無事にホテルにはたどりついたのだが、実はホテルのHPにはちゃんとこう書かれていたのだ。
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カーナビゲーションをご利用になる際のご注意
国道136号線から外れ、修善寺温泉場を経由して細い林道を通る経路が表示される場合がございますが、その経路ではホテルまでお越しいただけませんのでご注意ください。
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なんてことだ。あぶねー。
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